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国債は何故、マイナス金利でも買われるのか?
2016年に日銀がマイナス金利を導入して以来、日本の10年国債利回りがマイナスで取引される、という衝撃的な事が起こったのをご存知でしょうか?
我々国民が国にお金を貸して、10年後にお金が「減って」返ってくるという、どう考えてもアホらしい取引が、実際に行われていたのです。
こんな事は史上初めてで、債券に関しては素人の僕でさえ、明らかな異常事態に見えました。
というか、買う人は頭がおかしいのか?というのが正直な感想でした。
ちなみに、この記事を書いている現在も、日本国債10年は0.085%、米国債10年は2.417%(※2017年2月17日終値)と、
米国債と比較しても利回りが異常に低過ぎて、今から日本国債を買う気は到底起きません。
実は僕も、かつては無リスク資産として一定額の日本国債を保有していたのですが、もうとっくに全額売却済です。
「今の米国債の利回りは低すぎる」という言説も節々で見受けますが、日本国債はもはやそれ以前の問題だと感じます。
そもそも、日本国債はマイナス金利でも何故買われていたのか?
そして、その損失(ツケ)は結局、誰が被る事になるのか?
その疑問の答えを探るべく、今回も再び、ブログ「Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!」の管理人であり、
長期投資家のHiro氏に、上記の疑問をそのままぶつけてみました!
Hiro氏の見解1
当該記事内では「日銀が今より高値で、絶対に買ってくれるのだ、という根拠のない、砂上の楼閣のような取引」という表現がなされていますが、
だとしたら、これって「10年後に、一発で損失が生じる」という時限爆弾(マイナス金利)を、市場参入者同士でバケツリレーしていって、最後に日銀が買い取るという、インチキなチキンレース状態じゃないか!?と感じた次第です。
hiroさんはこの点についてはどうお考えでしょうか?
私も債券市場は素人ですが、自分なりの意見を申し上げますね。
結論から言うと、方法はどうであれ結局日本の負債は未来の日本国民全員で負担するしかないということです。
確かに日銀がやっぱり買わないと言い出したら国債利回りが急騰して、金融機関は大損失を食らいます。
ですが、そんなことしたら日本の金融機能が麻痺します。
自己資本が棄損して事業運営に支障が出ます。
で、やっぱりここでアメリカが出てくると思います。
なんだかんだ言って日本は世界3位の経済大国ですから。
その日本で金融機能の麻痺が起こったらアメリカ経済にも世界経済にも大きな危機です。
日銀が国債をやっぱ買わないと言ったら、アメリカが怒ると思うんです。
だから日銀は国債を買い続けるはずです。
でも負債は負債ですから、魔法のように過去の無駄遣いのツケが消えるわけではありません。
それを負担するのは私達です。
それは二通りの方法で来ると思います。
インフレと増税です。
結局、世の中フリーランチはなしです。
過去に無駄遣いしたツケは必ず誰かが負担します。
私は日本の財政改善策とは、インフレと増税のバランスでしかないと考えています。
インフレの方がこっそり国民に気付かれることなく負債を精算できるので、政府日銀はこっちを望んでいます。
ですが、国民マインドがデフレ脳過ぎて難しいところです。
なんかまとまりのない回答ですみません。
結局は国民にツケが回ってくる
確かに、国債は日本の負債だから、結局は国民にツケが回ってくるという結論に帰着する訳ですね。
参照記事が問題視していた「日銀が買うか買わないか」という議論も、それ自体はむしろ大した問題ではなく、利回りが高かろうが低かろうが、金利がプラスだろうがマイナスだろうが、結局そのツケを負担するのは我々国民全員であって、債券市場参入者ではない。
だから、市場参入者はマイナス金利でも構わず取引するし、その利益は、言わば間接的に国民から引っぺがしているようなもの。
結局こうした問題も、そもそも国民が関心を持たないトピックであるがゆえに、傍から見れば明らかにおかしな状況でも、誰も突っ込まない訳ですよね。
増税にはあれほど大反対するのに、インフレによる負債圧縮には無頓着な大衆には、何故同じリスクレベルで認識出来ないのか、単純に不思議に思いますね・・。
Hiro氏の見解2
日銀が債券買いを止めて、金融機関が債券価格の下落で大損害を受けたとしても、その負担を銀行株主が負担して終わりではないと思います。
結局公的資金を注入して救済すると思います。
それはイコール国民負担です。
債券についてはよく考えることはあるのですが、なかなか本質的な理解に辿り着かないです。。
拙い回答で恐縮ですが、現在の私の考えです!
おまけトピック~ブログと人間関係~
僕自身、思考が整理されました。
先日、「僕がその日、Facebook上の「友達」を全削除した本当の理由」という記事を上げてらっしゃいましたね。
その中で仰っていた、友達は「ストック」ではなく「フロー」である、ってこれ名言ですね!!
読んでいてオオって唸ってしまいました。
PCの前でフリーズしてしまいました。
その通りですよね。
昔の同級生とか昔の会社の同僚は大事な友達ではあるけど、自分の環境が変われば疎遠になるのは仕方ないことです。
職業や家族構成の変化など目に見える違いでも付き合う友人は変わりますし、何より自分の価値観や人生観の変化(醸成?)に伴ってその時々で付き合う人は変わっていくものだと思います。
逆説的ですが友人はストックではなくフローだからこそ大切にしたいと私は思います。
私はこの自分のブログの読者の方一人一人のことをとても大切に思っています。
それはコメントして下さる方も、そうでない方も皆さんです。
確かにネット上でのしかも文章だけのやりとりですが、文章だからこそ普段言えない自分の思考を抽象的に、時に具体的に言える面もあります。
社会人になるとどうしても人間関係にビジネスが絡んできます。
ですが、ブログでは自分の趣味嗜好が合う方とビジネスとか関係なく本音で語り合うことができます。
(私が一方的に語る方が圧倒的に多くはなりますが。。)
ブログとはコミュニケーションだと思っています。
偶然米国株投資という分野に興味を持ち、しかも大体同世代の方とブログを通じてふと出会うことができる。
多分ほとんどの読者の方とは直接会話をすることはないし、一緒にお酒を飲む機会なんて絶対にないと思います。
私のブログも永遠にあるわけではないし、私がブログを閉鎖した瞬間、ほとんどの読者の方との関係も終わるでしょう。
読者の方が、もう私のブログを読まなくなることだってあると思います。
そういう意味で、ブログを通じての出会う方はどちらか言うとフローの友人ですよね。
友人というにはおこがましいですが。
でもフローだからこそ、その偶然の一時の出会いを大切にしたいと思いますね。
米国株ってかなりニッチ分野だと思いますからね笑。
ブログで米国株に興味のある人と出会えたことが、ブログを始めて一番よかったと感じていることです。
人間関係っていい意味で捨てることも大事だと私は考えています。
そういう点でも共感できる記事でした。
いやあ、本当に素敵な記事でした。ありがとうございます。
現代って情報そのものは無価値だと思うんですよ。
ググれば型通りの知識は大体手に入りますから。
でも、情報は発信の仕方というか加工によって価値あるものなりますよね。
同じ情報でも発信者の脳を一度介することで、情報に素敵なデコレーションがなされる感じです。
同じ情報に見えても、発信者の視点、思考法、切り口などによって受け手のマインドに大きな影響を与えることができます。
普段何となく考えていることをうまく言語化されると、急にパーっと視界が開ける気がするときがあります。
そんな感じでした。
こんな文章が書ける岩波さんを尊敬します。
価値ある記事とはこういう記事だなと、大変勉強になりました。
「ずっと続く、価値ある記事を。」という名の通りですね。
突然話題変えて失礼しました。
なんか長文になってしまいすみません!
結論まとめ~結局、インフレと増税で僕たちが損をする~
結論、マイナス金利で日本国債が取引されるのは、そのツケが結局は国民に回って来るから。
これが何を意味するか?
つまり、どこの誰とも知らない債券市場参入者や日銀によって、僕たちが知らない間に損を被っているということですよ。
債券市場参入者「まぁ、最後は日銀がより高く買い取るだろうし、マイナス金利でも国債売買するか!もうけ♪(※どうせ国民負担だし)」
日銀「まぁ、最後に日銀が買い取る暗黙の了解で債券市場参入者は国債を買ってくれるし、マイナス金利でガンガン行こうぜ♪(※どうせ国民負担だし)」
これ、我々国民にとって、普通に、正直に考えて許せる事だと思いますか!?
まぁ、まともな神経で考えたら「許せない!!」と思いますよね。
でも、それが日本経済のありのままの現状です。
今後も、国はインフレと増税により負債を圧縮し、国民全員がそれを負担するという構図は続いていくでしょう。
では、我々国民にとって、少しでも損を減らすにはどうすれば良いか?
あるいは既にお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、1つの答えは投資です。
僕の株式投資戦略、証券口座の使い分けも、上記事にて全て公開しています。(※投資は自己責任で!)
Hiroさん、今回も非常に有力なご意見を頂き、ありがとうございました!