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最近話題の「貸株」制度って?
バイ&ホールドを前提とした長期投資家にとっては非常に気になる、「貸株」制度。
内容を平たく言えば、保有株式を、証券会社を通して他者に貸し出す事によって金利を得る制度です。
もちろん、キャピタルゲインや配当金も併せて受け取る事が出来ます。
ちなみに個別株だけでなく、ETFでも導入可能。
貸株導入の手続きも簡単で、必要項目をポチポチクリックするだけです。
僕も最近、保有銘柄の「貸株」導入可否を一度きちんと検討したいと思っていたので、
メリットとデメリットを踏まえた上で、結局アリか?ナシか?の判断まで触れていきます。
(※本記事の記述は、あくまでも僕の個人的な見解と判断です。貸株導入の可否含め、ご自身の投資判断は自己責任で!)
貸株の主なメリット
冒頭でも触れましたが、キャピタルゲインや配当金も通常通り受け取れて、さらに金利を付加出来る点です。
また、貸出中であっても、いつでも売却が可能です。
あなたが既に保有している銘柄の中で、
「どの道長期で保有するなら、例え僅かな金利でも貸しておいた方が得」
という感覚があれば、導入を検討するに値するでしょう。
貸株の主なデメリット
細かいデメリットはいくつかあり、詳細は上記のサイトでも確認出来ますが、
その中でも最も注意したいのが証券会社の倒産リスクでしょう。
通常の株式保有時は、証券会社が倒産しても投資者保護基金により投資家の資産は保全されますが、
貸株中はその保全の対象外となってしまいます。
貸株金利が高い銘柄を新規で買うのはアリか?
ここで、1つ私見を補足しておくと、
「貸株金利のためだけに、金利が高い銘柄をとりあえず買う」のは、個人的には到底オススメ出来ません。
何故なら、貸株金利が高いという事は、それだけ信用売りの需要が高いという事でもあり、
今後の株価の下落によって損失を被るリスクも同時に高まるからです。フリーランチは無しですね。
目先の貸株金利に惑わされるのではなく、
あくまでも現在保有している銘柄の中で検討するのがベターだと著者は考えます。
結論まとめ~3つの選択肢~
結局、「証券会社の倒産(ほか諸々の)リスク」に対して、「どれだけの金利」であれば許容出来るのか?
それとも、リスクを一切許容しないのか?
という、個人の感覚値による意思決定でいいと思います。
【選択肢1】金利に関わらず全保有銘柄で貸し出す
もしあなたが、
「証券会社の倒産なんて、そもそもテールリスク(※滅多に起こらない事)なんだから、例え金利が雀の涙(0.01%~)でもGOだ。ゼロよりマシ!」
と思われるのであれば、自己責任ですし、それでも良いと思います。
【選択肢2】金利の許容ラインを設定して、それを超えた銘柄のみ貸し出す
あるいは、
「いくらテールリスク負担でも、それに対して金利○%は低すぎる。せめて金利が○%を超えた銘柄は導入しても良いかな。それ以外はSTOPで」
という考えもあると思います。ちなみに僕はこの立場です。
【選択肢3】どの保有銘柄も貸し出さない
もしくは、
「いや、万が一証券会社倒産したら資金全部パーになるんでしょ・・?それって怖すぎ。金利がどうとか以前の問題」
と思われる場合は、そもそも貸株制度の導入は見送られた方がベターかも知れません。
リターンどうこう以前に、まず日々の精神状態の方が重要ですからね。
貸株金利の参照サイト
楽天証券、SBI証券、カブドットコム証券など、上記の大手証券会社サイトにて、貸株金利が確認出来ます。
注意したいのは、金利は随時変動することと、証券口座を開いていないと見られないページもあるという点ですね。
証券会社ごとの金利については、上サイトも参考になります。
最後に~実際、保有銘柄の金利はどうなの?~
いかがでしょうか?
そもそも制度趣旨として、貸株の需要は「信用売り」のためなので、
貸株の金利が高いような銘柄は価格変動のリスクも大きく、
また、長期保有に適した優良銘柄だと、貸株金利も雀の涙である事が多いようです。
まぁ、需給の原理を考えたら当然、といえばそうなのですが。
そのため、先ほども触れた通り、
貸株金利が高く、一見、魅力的な銘柄の場合でも、うっかり投機銘柄に手を突っ込んで火傷を負わないように注意が必要でしょう。
ちなみに、僕は現在、個別株は米国株オンリーの保有で、(ETFを除き)日本株はほとんど取引していません。
で、僕の保有銘柄の実際の貸株金利はというと・・どれも0.01%~0.05%の極小金利(※)でした。うむむ・・残念!(※2017年2月現在)
なので、僕の判断では、当面は貸株ナシですね。
(※金利は随時変動するので、最新の金利情報はご自身での確認をお願いします)
今後の目安としては、最低でも金利が0.1%を超えた保有銘柄があれば、貸株導入を視野に入れる方針です。
ETFなら信託報酬を賄える水準ですしね。
諸々書き連ねましたが、ご参考の一助になれば幸甚です!