はじめに
以前、26年住んだ神奈川県横浜市青葉区から福岡市西区(糸島エリア)に移住した理由、という記事を執筆しました。
その後、福岡には3年近く住みましたが、この度、2018年12月より、熊本県阿蘇近郊に移住しました。
今回の移住にもいくつかの理由がありましたが、実際に移り住んでみて、熊本も本当に住んで良かった、と思っています。
ご存知の方も多い通り、糸島も阿蘇も、どちらも都市部からの移住に人気のエリアですが、
本記事では、実際に両方住んでみた視点から、5つの指標で快適さを比較してみます。
【比較1】空気や自然の綺麗さ
糸島 | 海も山もあるが、空気や自然の魅力は減少気味 |
阿蘇 | 海はないが、荘厳な山に囲まれ、空気も自然も保たれている |
当初、糸島に移住した時はただただ、感動の連続でした。
広大な田園、川には鴨やカワセミ、海の水は透き通るようで、少し車を出せば佐賀の山々。
田園、川、海、山、まさに多彩な自然に囲まれたオアシスのように感じられました。
ただ、糸島エリア、福岡市西区はここ数年、人口流入が激しく、住宅建設ラッシュに沸いており、立ち並ぶマンションと家によって、田園風景が急速に失われつつあります。
また、3年間住んだ体感ですが、空気も以前ほどの綺麗さでは無くなりつつあります。博多・天神よりはもちろん綺麗な方ですが。
一方、阿蘇エリアは、人口流入の面でも緩やかで、自然減少については今はそこまで心配する必要はなさそうです。
もっとも、阿蘇から比較的近いニュータウンである光の森エリアは人口流入も多く、開発ラッシュも続いているので、そこから流入して来るリスクは、今後は無視出来なくなるかも知れません。
とにかく海が好きな人には、糸島の方が向いていると思います。海風の混ざった、湿った空気で、阿蘇の「ザ・山の空気」とは質も異なります。
ただ、自然や空気の綺麗さを保っている、という面で言えば、僕は阿蘇に1票です。
【比較2】交通アクセス
糸島 | 電車(筑肥線)でも車(高速道路)でも移動可能。天神30分、福岡空港40分圏内 |
阿蘇 | 電車(豊肥本線)は難あり、移動はほぼ車(国道)。熊本市50分、熊本空港30分圏内 |
糸島エリアの最大の魅力は、何といっても自然と交通アクセスの両立でした。
移住した当初は、電車一本、道路一本で、ガラガラに空いている電車内(道路)で30分でパッと都心に出られる快適さは、一度知ったらもう二度と東京には住めないな、と思うほどでした。
しかし、福岡市西区も3年間で、電車や道路の混雑度はかなり悪化してしまいました。
下道(唐津街道、前原道路)は慢性的にギッチリですし、電車も座れなくなってきて、高速でも通勤の時間帯はそれなりに混みます。
人にもよるかも知れませんが、僕にとっては慢性的な混雑は時間とエネルギーのロスであり、ストレス要因です。
一方、阿蘇エリアは、電車こそ難がある(運行制限)ものの、道路は基本的にスイスイです。ただ、熊本市まで出ると、道路は割と常に混んでます。
移動ストレスの少なさという面では、阿蘇に1票を入れたい気もしますが、
移動手段の多さ、利便性では糸島に軍配が上がります。
【比較3】人口密度によるストレス
糸島 | 人口流入が激しい(人口密度高め) |
阿蘇 | 人口流入は緩やか(人口密度少なめ) |
先ほども触れた通り、糸島は人口流入が激しく、阿蘇は人口流入が緩やかです。
糸島はもはや、自然と都会のバランスの取れたユートピアではなく、
立ち並ぶマンションや戸建住宅で溢れかえりつつあり、以前の横浜市青葉区を連想させられるほどです。
正直、(僕の感覚では)もう窮屈に感じるレベルになって来てしまいました。
ここで断っておくと、地方よりも人口が多い都市部の方が快適だ、と感じる方はそもそも糸島や阿蘇といったエリアへの移住を検討しないと思うので、人口密度は低い方がストレスが少ない、という前提で話を進めます。
人口ストレスの少なさに関しては、文句なしで阿蘇に1票ですね。
ただし、今後はこの限りではないかも知れませんが。
【比較4】生活コスト(家賃含む)
糸島 | 家賃は値上がり傾向だが、マルキョウなど食料品が安いスーパーも |
阿蘇 | 家賃は糸島より安めだが、冬は灯油など暖房費がかさむ |
生活コストについては、正直、微妙なラインです。
というのも、家賃とその他の固定費の水準がちぐはぐだからです。
まず、家賃に関しては糸島エリアは値上がり傾向で高めです。
糸島で3年住んだマンションの募集家賃が、退去の時に4000円も値上がりしていてビビりました。築年数が3年経過しているのに、ですよ。
移住当初は、築浅の駅前2LDKが6万円台で住める事に感動していたのですが・・。
その代わり、食料品、生活用品が安いスーパー(マルキョウなど)も多いですし、冬はそれほど寒くない(0℃はほぼ割らない)ので暖房費はそこまでかかりません。
一方、阿蘇では、家賃水準は糸島より安めですが、食料品(野菜以外)は若干高めで、冬も寒い(普通に-5℃を切る)ので灯油代など、暖房費もかさみます。
そのため、生活スタイルにもよりますが、総合的にはトントンぐらい、と思ってもらえれば良いかも知れません。
この点に関しては、(一概には言えないので)引き分けではないでしょうか。
【比較5】食べ物の美味しさ
糸島 | 米、卵、海鮮、肉、野菜、バランス良く総合力が高い。伊都菜彩など大型店舗も |
阿蘇 | 海鮮少なめだが、米、野菜、卵、牛乳が美味。馬刺、あか牛など独自の食材も |
食べ物についても、これも人によって趣味、嗜好が異なるので、何とも言えません。
どちらにも得手・不得手な食材があり、僕は正直、どちらの食材も好きでした。
糸島も阿蘇も、食材の総合力が高く、基本的に何を食べても美味しいです。
糸島に住んでいると、熊本の馬刺、あか牛が食べたくなったり、
阿蘇に住んでいると、今度は福岡の明太子や玄海の海鮮が食べたくなったり・・。
悩ましいところです。
この点も、一概には言えないので引き分けとさせて頂きます。
結論
結論、移住するなら糸島、阿蘇、どちらの方が快適かというのは、
個々人によって何を求めるかが違うので、ケースバイケースと言わざるを得ません。
そもそも、僕はどちらのエリアも好きなので、無理やり順位付けをして片方をディスる、というのもナンセンスですしね。
ただ今回、阿蘇に移住して本当に良かったな、というのは強く感じています。
ご参考になる部分があれば幸いです。
素敵な移住ライフを!